新世紀南瓜魂

2001年後半に小学館DIME誌の『デジタルクリエーター名鑑』に掲載されたけれど、僕のインターネット歴はそれほどあったわけではなかった。
2000年5月21日、僕は@林檎郎というハンドルネームで『新世紀南瓜魂』というWEBサイトを作り、インターネットにデビューしたのだった。

最初は下記のような、アニメGIFのパラパラ漫画の発表サイトにするつもりだった。

しかしスタートしてすぐに、GIFを使うためにはUNISYS社に対して特許料を払わなければならないGIF特許問題(日本国内では2004年6月20日に特許が失効)の存在を知り、ビビった僕はアニメGIFを断念、当時はまだ新しかったPNGを使うことにした。
PNGは静止画フォーナットだったため、JavaScript や JAVA を使って静止画を次々に表示することでパラパラ漫画を見せる苦肉の策を採った。
やがて静止画の集合と順番を管理するのが面倒になり、PNGのアニメ版であるMNGを使うことにしたが、当時(現在も)のWEBブラウザはMNGを表示できないため、見るためにはプラグインを導入してもらわなければならなかった。
UNISYSのサブマリン特許に抗議し、GIFに代わってPNG、そしてPNGのアニメ版であるMNGを広める運動に参加した。
この活動で名前が知られるようになった面は、たしかにあったと思う。

古いデータをかき集めて、2000年9月頃の『新世紀南瓜魂』サイトを再現してみた。⇒コチラ
部分的に失われてしまったデータもあるので、ところどころ画像が欠落している。
また、HTML5時代となった現在、各種ブラウザでは当時の JavaScript は機能しないし、JAVAアプレットも実装できないので、掲載されている「WEB紙芝居」を見ることはできない。
掲示板は外部の無料サービスを使っていたので、リンクは切れている。
お世話になった皆さんのサイトも、今はもう閉鎖されているところばかりだ。
20年という時の流れは、特にインターネットの世界では1世紀以上の隔世感がある。

『新世紀南瓜魂』は Geocities の無料スペースで始めたのだが、広告が多くて鬱陶しかったため、三か月後には無料サーバーの Tripod に引っ越した。


2000年8月9日~ members.tripod.co.jp/web_comic/ (2001年閉鎖)

しかし、CGIを使って自前の掲示板設置を目指し、2001年の前半に当時契約していたISP(TOKAI)の有料サーバーに引っ越した。

サイト名『WEB紙芝居』に変更 www2.tokai.or.jp/web_comic/ (2004年閉鎖)

静岡県から愛知県に引っ越した時にISPを so-net に変更しサーバーも引っ越し、サイト名を『K@Bocha studio』に変更

2004年3月11日~ www014.upp.so-net.ne.jp/pumpkin/  (2004年6月閉鎖)

so-net よりも格安の有料サーバー LOLIPOP を見つけ、ついでに独自ドメインを取得し、今日に至る。

2004年5月25日~ kabocha-studio.com/

www2.tokai.or.jp/web_comic/ をメインサイトにしている頃に『デジタルクリエーター名鑑』に掲載されてアクセス数も増えていったが、それも2003年の半ばには落ちていった。
PNGは普及していったがMNGを実装するブラウザは現れず、PNG普及運動も下火となっていく中で、僕は SWF(フラッシュ)に創作の場を求めるようになっていった。
2002年にはCGIが使える無料サーバーがいくつも出てきたので、良さげに思えたところを次々と借りて、CGIとSWFの実験を試み、メインサイトに導入することでスキルを磨いていった。
2019年3月31日に Geocities がサービスを停止し、XREAだけが今でも現役のテストサイトとして残っている。

  • 2002年5月9日~ pumpkin.s12.xrea.com/(現役)
  • 2002年5月14日~ web-comic.hoops.ne.jp/(サービス停止)
  • 2002年7月14日~ f1.aaacafe.ne.jp/~static/(サービス停止)
  • 2002年7月18日~ flashup.jp/~static/(サービス停止)
  • 2002年11月7日~ www.1point.jp/~pumpkin/(サービス停止)
  • 2003年6月2日~ www.geocities.co.jp/Milano/9543/(最初のサイトとは別:サービス停止)

インターネットの世界からSWFが排除されようとしている現在、僕が作品の媒体にしようとしたMNGもSWFも使える媒体ではなくなった。
皮肉なことに、最初に避けたGIFが今でもひっそりと生き残っている。