日露戦争はもう出来ない

国連憲章の敵国条項とは、「第二次世界大戦中に連合国の敵国だった国が、戦争により確定した事項を無効に、または排除した場合、国際連合加盟国や地域安全保障機構は安保理の許可がなくとも、当該国に対して軍事的制裁を課すことが容認され、この行為は制止できない」というもの。
第二次世界大戦時に連合国の敵国だった日独伊も国連加盟国となった現在は状況も変わっており、削除する方針が決議されてはいるが、いまだ削除はされていない。
それは、国連加盟国それぞれの批准が必要なためだけれど、ソ連もその後継であるロシアも批准していない。
もしも北方領土問題でロシア軍が出動した場合はこの敵国条項に則った行動と見なされ、日米安保は機能せず在日米軍は出動出来ない。
日本単独で日露戦争を始めても絶対に勝てないし、そもそも日本国民にその気は無いだろう。
「戦争してでも北方領土を取り戻したいですか?」という質問を関係者に連発した国会議員が不埒者として炎上したけれど、日本人には突拍子も無いように思えるこの質問が、ロシアとの国際感覚としては正しい見識だったと言えるようだ。
「北方領土を返せ」という日本の主張は、ロシア人の立場では「今更何言ってんの?」というものであり、徴用工問題で韓国を「今更…」と非難する日本人よりも、はるかに国際的に通用するものなのだ。
頑迷な反日で自縄自縛となる韓国を、日本は嗤えない。
北方領土問題を現実的に考えトランプ大統領風に言えば、この領土問題解決はディールなのだから、四島一括返還に拘らず、取引で二島でも返還されるなら大きな成果だと割り切る理解力が、日本国民には必要だったと思う。
プーチン大統領の支持率が落ちているから、経済協力での二島返還も今では難しくなってしまったけれど。