1931年のドイツ映画「会議は踊る」は、当時ナチスが退廃的だと上映禁止にした作品ですが、日本では1934年に公開され大ヒットしました。
日本でも軍部が強くなってきた頃ですが、当時の日本はナチスドイツよりはまだ自由だったのでしょうか。
まあ、1940年の日独伊三国同盟以降はドイツ・イタリア以外の西洋文化は敵性文化ですから、ドイツ映画は許された洋画として日本国内で愛され続けたのかも知れません。
映画史的に興味があった僕は、この映画のDVDを購入して観ました。
この映画でリリアン・ハーヴェイが歌った「Das gibt’s nur einmal(ただ一度だけ)」を、僕は気に入っています。
ナポレオン失脚後のヨーロッパについて話し合うためのウィーン会議は、各国の思惑が交錯して進展せず、毎夜の舞踏会だけが華やかに眼立ったために「会議は踊る、されど会議は進まず」と揶揄されましたが、この映画はウィーンの町娘がロシア皇帝と恋に落ち、そしてナポレオンのエルバ島脱出の混乱の中で捨てられるという悲恋を描いています。
自尊心が強い主人公は王族に見初められることを夢見ている身分の低い売り子であり、その大言壮語のせいで周囲から馬鹿にされていましたが、ロシア皇帝の使者が馬車で迎えに来て、得意の絶頂を迎えます。
その時に歌われる挿入歌なのですが、儚い恋の絶頂期の明るさが、ラストの主人公の哀れさを増幅します。

この中の「Denn jeder Frühling hat nur einen Mai.(全ての春には、五月はひとつだけだから)」という歌詞が、特に僕のお気に入りです。

Das gibt’s nur einmal.
Das kommt nicht wieder,
Das ist zu schön um wahr zu sein.
So wie ein Wunder fällt auf uns nieder
Vom Paradies ein gold’ner Schein.
Das gibt’s nur einmal,
Das kommt nicht wieder,
Das ist vielleicht nur Träumerei.
Das kann das Leben nur einmal geben,
Vielleicht ist’s morgen schon vorbei.
Das kann das Leben nur einmal geben,
Denn jeder Frühling hat nur einen Mai.

メロディ