ロゴのデザイン

デザインというと、製作者は自分の個性と特異性を反映させたいと考えるものだけれど、企業やブランドのロゴデザインの鉄則には「業態スケール感の表現」というものがあるそうで、品位を重んじたり敢えて通俗性を強調したりと、業種を考える必要がある。日本ではブランドビジネスとなっている「私立大学」であるならアカデミックな印象のデザインが重要で、テーマパークのようなデザインはたとえ実態と合っていてもNGとなる。
普遍性や持続性を重視する場合もあって、このSONYのロゴコンペで入賞した作品は、どれも個性的で優れているけれど、今見るといかにも「80年代」である。時代を反映すると陳腐化も早いんだな。オリンピックや万博のように一過性のものなら、むしろ時代を反映したデザインによる陳腐化が、「思い出」としての価値を産むかも知れないけれど。
IT企業アップルのロゴは、当初はレインボーカラーだったけれど、今は白単色となっている。ロゴの多色デザインは軽佻浮薄な印象を与えるので、医療や金融では敬遠されるけれど、高品質を打ち出したいメーカーも同じかも知れない。ちなみにアップルのロゴが「齧られた林檎」なのは、コンピュータの世界での単位であるバイト(bite)が、「bite at ~」=「~に食いつく、~を齧る」と同じスペルという、駄洒落なのであった。