SNSマーケティング小論

アカウント作成が比較的厳格なFacebookや、了解を得た相手と繋がらなければ情報を発信できないLINEに比べ、アカウント作成が容易でアカウント所有者全員に対して情報発信できるTwitterは、気軽な(ある意味無責任な)情報発信ツールとしての地位を築いている。
日本において主流のSNSであるLINEは、情報公開先を限定するものなので、主に情報伝達(連絡用)としての用途が多い。
Facebookは文字数制限が無く投稿後の編集も可能で、投稿ごとにコメント欄を持ち、投稿ごとに公開レベルを選定できるので、「ブログ+掲示板」というフォーラム的要素が強いSNSと言える。
いっぽうでTwitterは、検索やハッシュタグによって随意に情報を取得することが可能であり、これは情報発信側から見れば、投稿した段階で誰もが見ることの出来る情報発信をしたということになる。
軽率な情報発信によって問題が起きることも多いTwitterではあるが、それは逆に参加しやすさの表れとも言えるので、ここでは、そんな「気軽なSNS:Twtter」を商用利用する場合について考察してみたい。


上に掲載した表は、僕が運営している3つのTwitterアカウントの直近28日間の記録である。(調査日:2021年5月15日)
3つのアカウントともに商用利用はしていないけれど、Twitterの商用利用方法としては(1)広告的投稿をする (2)投稿内に公式サイトないしランディングページへのリンクを掲載 (3)プロフィールから公式サイトないしランディングページに誘導の3つが考えられるが、(1)の広告的投稿は経験され、アカウントをブロックされる確率が極めて高いと推測できる。

Twitterで商売っ気むき出しの投稿を歓迎する人は限定的であり、その繋がりはLINEによって代替できるものである。

こう考えてみると、(3)が良いように考えられるが、プロフィールをクリックしてもらえる投稿とは、どのようなものなのか。
乏しいデータではあるけれど、僕自身が用途別に運営しているTwitterアカウントのアナリティクスから、推測してみたいと思う。
インプレッションとは利用者のタイムラインに表示された回数であり、これはたとえて言うなら、駅構内に広告看板を掲出した際にその前を通り過ぎる人数、と言うことができる。
ではまず、Twitter利用者の圧倒的多数の用途である について。フォロワーが648あっても、1ツイートあたりのインプレッションが275しか無い。これは、相互フォロー関係にあるアカウントが休眠中である可能性と、フォローしつつもミュートしてタイムラインに表示させていない可能性が考えられる。僕自身がフォロー先の多いアカウントの賑やか過ぎるタイムラインを敬遠し、別アカウントを作るほどであるから、そういう人が多いのかも知れない。アカウント起動回数が少なければ、タイムラインに表示される機会を得ない投稿も増えるわけである。それでもインプレッション数に対するプロフィールクリック率は20.9%を得ている。
はフォロワー数でも分かるとおり、ハッシュタグによってインプレッションを稼いでいる。
 で使うハッシュタグは多くの人と共有できるテーマなのでインプレッションは多いが、「どんな人間が書いているのか」と興味を抱く率は低いようで、プロフィールクリック率は低い。しかし、インプレッションが多いので、プロフィールクリックの絶対数は多い。
で使うハッシュタグはトレンドの高いテーマではないので、1ツイートあたりのインプレッションは少ないが、「書いているのは何者」という興味はひくようで、高いプロフィールクリック率を獲得している。ただし、内容によっては炎上する危険性を孕むので、商用アカウントでは意見投稿は避けるべきであると思う。(思い切って炎上商法という場合は別)

《結論》
フォロワー数が少ない場合でも、トレンドの高いハッシュタグによってインプレッションを稼ぐことができる。
店舗のように商圏が限られる場合は、地域限定ネタのハッシュタグを活用することも有効である。
売り手の都合で投稿記事を作らず、ビジネスとは縁が無くても読まれそうな記事を投稿し、さりげなく誘導したいURLを付記しておく。
ツイート頻度を高く保つ。書くことが無い場合は、漫画や映画・ドラマの感想ような個人的なネタでもいい。(ただし否定的な感想は絶対に避ける)
プロフィール欄には顧客獲得のために魅力をアピールするコメントを載せ、公式サイトかランディングページのURLを載せる。
情報発信だけが目的の商用アカウントでは、タイムラインが混雑して読み難くなることは問題外なので、おおいに相互フォローしフォロワーを増やすことも有効である。