イエスの嘆き

コンスタンティヌスの寄進状とは、ローマ皇帝コンスタンティヌスがローマ帝国の西半分をローマ教皇に寄進した証拠とされる文書。
これを根拠に、カール大帝はローマ教皇に戴冠されることで帝位に就き、以降の神聖ローマ帝国皇帝はローマ教皇の承認が無ければならず、皇帝はローマ教皇に破門でもされようものなら、「カノッサの屈辱」みたいな目に遭うこととなる。
この文書は、15世紀には偽書であることを指摘され、18世紀には偽書であることが確定した。捏造された架空の歴史的事実をずっと信じてきて、偽書とされたのちも、ローマ教皇の権威を守るほうが各国の王権の維持に好都合だった。
大元の聖書にも疑念を持つ研究者は古くから居たけれど、異端とされて殺戮されたりした。キリスト教が異教徒以上に異宗派信者に厳しいのは、「同族嫌悪」かも知れないね。だとしたら、ものすごく残酷な「嫌悪」である。
こういう歴史を見ると、キリスト教を信じる気には到底なれない。たぶんイエスも天上で「君たち間違っているよ」と嘆き、新たな預言者を遣わすのだけれど、ことごとく「異端」や「悪魔」として葬られちゃったのだろう。