2022年2月24日、ロシアがウクライナへの軍事侵攻を始めた。
これ以降の悲劇は報道で知るとおりであり、これを始めたプーチン大統領は「悪魔」のように思われている。僕はこの軍事侵攻が正義であるとは思わないけれど、プーチン大統領側の領土欲だけが原因だったのだろうか。
2019年5月20日、ウクライナでゼレンスキー氏が大統領が就任。支持率は75%を超えていたが、親ロシア派の巻き返しもあり、翌年には30%台に落ち込む。
タックスヘイブンを利用した租税回避行為情報が漏れ、2021年10月に「パンドラ文書」として世界中に報道されたが、そこには91ヶ国で330人以上の政治家や政府高官の名が記載されており、その中にゼレンスキー大統領の名前もあって支持率が急落する。
同じ時期にウクライナ軍は、内戦状態にあった紛争地域で親ロシア派にドローン攻撃を実施。ゼレンスキー大統領は「ミンスク合意2」の破棄を表明した。
「ミンスク合意2」は親ロシア派だったウクライナの前大統領がロシアおよびウクライナ国内の親ロシア派勢力と結んだものだったから、反ロシア派に推されて大統領となったゼレンスキー大統領はこれに反対していた。
自分の主張と反対だった前大統領が結んだ国際合意であったとしても、ウクライナから軍事攻撃したことは、プーチン大統領がロシア国内向けに「被害者」「反攻」を謳う根拠となり得た。
そしてロシアの軍事侵攻が始まり、侵攻開始前には17%だったゼレンスキー大統領の支持率は、侵攻後には90%を超えた。結果的にロシアを挑発し軍事侵攻させたようにも見えるゼレンスキー大統領の支持率は急上昇し、戒厳令によって任期が延長された現在でも60%超を維持している。
この戦争でウクライナ国民は被害者だと思うけれど、ゼレンスキー大統領はまた別の立場のように僕には思われる。