テレビドラマ「大草原の小さな家」に出てくるオルソン夫人は、田舎では貴重な雑貨店の奥さんで、裕福さと教養を鼻にかける高慢さを持った癇癪持ちで、夫のオルソン氏にもきつく当たる。
ドラマの中でトラブルメーカーみたいな、みんなの嫌われ者という役回りだった。
夫のオルソン氏はとても優しい人で、コミュニティの中で浮いてしまう夫人の代わりに皆に謝り、夫人を労ったりする。
若い頃の僕は、こんな夫人に愛想も尽かず優しく寄り添うオルソン氏に苛立ったりしたものだけど、この歳になってみると理解できる。
開拓時代の西部で、力を合わせビジネスを軌道に乗せ守ってきた長年のパートナーであり、他人の知らぬ夫人の美質も知っており、彼にとってはかけがえのない愛妻なのだ。
長年の連れ合いとは、親兄弟にもまさる、成人後の人生を共通体験をもって語れる唯一の存在なのだな。
人気番組で長い期間、嫌われ役を演じるのは私生活での支障もあると思うけれど、見事にオルソン夫人を演じたキャサリン・マグレガーさんにとって、この役は彼女の代表作と言えるのではなかろうか。
