HSPについて

大学時代の友人が「自分はHSP気質ではないか」と言ってきた。
HSPなんて知らなかったので、僕はさっそく調べてみた。
HSPとは、Highly Sensitive Person の略で、「ひといちばい繊細な人」という意味らしい。
人の気質を表すひとつの分類に過ぎないが、その特性は下記のようなものとされている。

  • 一を聞いて、十のことを想像し、考えられる
  • 調べ物をはじめると深く掘り下げ、その知識の広さを周りに驚かれる
  • お世辞や嘲笑をすぐに見抜いてしまう
  • 物事を始めるまでにあれこれ考え、時間がかかる
  • その場限りの快楽よりも、生き方や哲学的なものごとに興味があり、浅い人間や話しが嫌い
  • 人混みや大きな音が苦手
  • 友達との時間は楽しいものの、気疲れしやすく帰宅すると、どっと疲れている
  • 映画や音楽、本などの芸術作品に感動して泣く
  • 人の些細な言葉に傷つき、いつまでも忘れられない
  • 些細なことに過剰なほど驚いてしまう
  • 人が怒られていると自分のことのように感じ、傷ついたり、お腹が痛くなったりする
  • 悲しい映画や本などの登場人物に感情移入し、号泣する
  • 人のちょっとした仕草、目線、声音などに敏感で、機嫌や思っていることがわかる
  • 言葉を話せない幼児や動物の気持ちも察することができる
  • 冷蔵庫の機械音や時計の音が気になってしまう
  • 強い光や日光のまぶしさなどが苦手
  • 近くにいる人の口臭やタバコの臭いで気分が悪くなる
  • カフェインや添加物に敏感に反応してしまう
  • 肌着のタグなどチクチクする素材が我慢できないほど気になる
  • 第六感がはたらき、よく当たる

僕は該当項目が多いので、試みにHSPテストをしてみた。
結果はスコア:84 HSP度【中】と言う結果。
友人にもテストを紹介してやってもらったところ、スコア:55 HSP度【弱】という結果だった。
本人は今の境遇が生きづらく、だから自分はHSPじゃないかと考えたようだったので、この結果に落胆した様子だった。
このテストをSNSを通じて何人かに試してもらったところ、スコア50を超えたのは僕を除けば最初の友人だけで、僕意外にHSPなんて居なかった。
彼には「スコア50を超えていたのは君だけだったよ」と慰めておいたけれど、HSPじゃないほうが幸福だろうと密かに思った。
僕は逆に自分がHSPかも知れないと知り、鬱病と診断された経験も納得できたけれど、正直HSPだという結果にはおおいに不満なのだった。
ものすごく自問自答して自分を責め自己嫌悪と罪悪感に苛まれる粘着気質の分裂症だけではなく、そもそもHSPなのか…。
「深読みし過ぎ」とか「常識を蹴っ飛ばす」とか批判を受けてきたけれど、誰もが知っている一般論や常識を、金科玉条のように信奉してそれ以上考えようとしない人間を相手にしていると、僕は退屈してしまい心の底で軽蔑してしまう。
それが図らずも表情に出てしまう社交術スキルの低い僕だから、相手が名門大学の出身だったり社会的地位の高い人だったりすると、相手の尊大な自尊心を傷つけて恨みを買ってしまったりする。
HSPな人は共感力が無いわけじゃなくて、共感力に蓋をして自分を守り社会生活をおくっているはずだから、社交術のスキルが高くはなれないだろう。
そうして生きていかないと、自殺するか薬物中毒になってしまうと、自分に置き換えて僕は思うのだ。