もっと温かい目で

眞子内親王が複雑性PTSD状態にあるという報道に対して、「国民のせいにするな」という批判がネットに多い。
「普通の人じゃないのだから、普通の恋愛はできない」という意見もある。
皇族に生まれたのだから諦めろ、辛抱しろ、というのは酷すぎると僕は思う。
税金によって富貴な暮らしが出来る、特権階級のように思われているようだけど、それはあんまりじゃないかな。
封建時代でもなく身分制度もない現在の日本では、才能と努力次第で自由に生きられるのだから、束縛される富貴な暮らしより、一般家庭のほうが幸福だと思う。

これだけ連日報道されていたら厚顔な政治家や芸能人でも凹むのに、無垢で育ちの良いお嬢様を寄ってたかって虐めたら、複雑性PTSD状態になってもおかしくないだろう。

これが政治家や大手芸能事務所なら情報発信元に圧力をかけたり、対抗して有利な情報発信をする印象操作もできたのだろうけど、皇室にはそんな権力も権謀術数も無いのだ。
皇族が自分の意見や気持ちを押し殺して表明できない象徴天皇制にあって、自分の気持ちを貫こうとした内親王の出現は、現行の天皇制と皇族の人権という矛盾点を顕在化させ、天皇制のあり方をバージョンアップさせるまたとない機会であり、内親王の想い人の瑕疵を暴いてスキャンダルにするよりも大切な問題だったのに、相手の男性をことさら悪者に仕立て上げ、更にそれをもって女系宮家創設反対の材料にするのは醜いやり方だと思う。
もしも小室圭氏に罪過があるのなら、捜査され訴追されるだろう。
皇室への忖度で官憲が手心を加えているのであれば、その事実認定があってはじめて非難されるべきだ。
印象操作に乗せられて、誰かを虐めてストレスを発散することは、人としてしてはいけない。
未熟な若者に浅慮な行動はつきものなのだから、たとえ失策があっても、もっと温かい目で見てやれないものかね。
前途多難なご結婚だとは思うけれど、「ほら、やっぱりね」と溜飲を下げる事態を待望している一部の国民とマスコミの期待を裏切るよう祈っている。