リトルメジャー、ビッグマイナー

大昔の話ですが、発行部数の多い漫画雑誌で、連載は持てず読み切り作品ばかりの漫画家を「リトルメジャー」と呼んでいました。大衆の目に触れる機会を得ているので、当時の僕たち漫画家志望者は、羨望と嫉妬を込めてそう呼んでいました。
もうひとつ、「ビッグマイナー」と呼ばれる漫画家が居て、こちらは読者が限られ発行部数も少ないSFやアニメの専門誌に漫画を掲載していて、熱心な固定ファンを獲得している漫画家を指します。才能に溢れた作家が多く、僕たちは憧れを込めてそう呼んでいました。
インターネット時代となり、漫画に限らずあらゆる分野において、今では誰もが「リトルメジャー」になれます。その中で注目を浴びるような存在は、すべからく「ビッグマイナー」なのだなって思うのでした。
多様な価値観がインターネットによってあきらかとなる時代においては、専門性がとても重要なファクターだと思った次第です。