リスキーな繁殖機能で女性上位

他の肉食獣の食べ残しや腐肉を喰らうハイエナは、ハゲタカと並んで狡猾で残忍なものの代名詞に使われる。
ハイエナの中でもいちばん大型のブチハイエナは、自分で狩りもするけれど、せっかくの獲物をライオンに奪われることもあるそうだ。
このブチハイエナは肛門腺が発達していて、雌雄に関わらずお尻が女性器に見えるのと同時に、雌の陰核が巨大化してオチンチンのようになっており、尿道もそこを通っているのでオシッコが出る。
しかも、この偽チンチンの根元には二つの脂肪の塊があって偽タマタマみたいになっているので、昔は両性具有の獣と考えられていた。
産道もこの偽チンチンを通っているので、初産の時には偽チンチンが裂けるらしい。
そのため、雌の五頭に一頭はこの初産の怪我で命を落とす。
産道が狭く長いため、産まれてくる子供の60%は酸欠で死ぬそうだ。
なんとも凄まじい「進化」の形態だな(笑)
自然淘汰されずにきたのだから、このリスキーな繁殖機能でも種の絶滅を免れるほど「強い」のだろう。
むしろ個体数制限になって、生存環境にマッチしたのかも知れない。
交尾の時は雌が偽チンチンを引っ込めて膣を作るそうだから、哺乳類では珍しくセックスの主導権は雌が持つ。
群れのリーダーは長女が引き継ぐそうで、狩りの主役も雌。
雄はヒモ状態だな。
このように、雌にオチンチンのあるブチハイエナ界の「女性の社会進出」は、アイスランドすらも凌駕しているのであった。