「暗示」と「象徴」

絵画や音楽などは特にそうだと思うけど、アートの本質は「暗示」と「象徴」なのだと思う。
僕たちはとかく、作った人間の人格とか生活から作品の意図を探ろうとするけれど、例えばベートーヴェンだったら「自分の人生とは切り離して聴いてほしい」と願うだろう。

こういう自然の風景に「暗示」や「象徴」を求める心象を自分の心の中に作ってみる試みは、純粋に視覚や聴覚などの感覚器官が受ける刺激から自分の想念を創る訓練になる。
僕は自然の風景に作者が存在し、その人格やご機嫌を気遣うような価値観を持っていないので、自然の雄大さを自由に解釈し、そこに独自の「暗示」と「象徴」を思い描き、その印象を霊感として持ち帰る。