日本が敗戦で学んだこと

今は落ちてきているけれど、イスラエルの出生率は非常に高かった。
この「産めよ増やせよ」的な感じと、オスロ合意を無視してパレスチナ自治区への強引な植民を続けていたことを考えると、イスラエルの領土拡大は確信犯なのだと思う。
じわじわと追いやられ難民化していくパレスチナの怒りが、強硬なハマスの支持に繋がったのだろう。
ウクライナ戦争について、日本では戦闘をやめれば被害者が出ないので、「ともかくやめろ」という意見が根強い。
日本人の多くが「戦争さえしなければ幸福な平和が訪れる」と考えるのは、第二次大戦に敗れたあとの占領体験が、人類史の中で穏健なほうであり、領土を奪われ居住地を追われて植民されたのが、台湾・朝鮮・樺太・千島列島といった、明治以前には領土だった感覚の無い土地ばかりであり、国土喪失感が薄かったからではないだろうか。ドイツの分割占領によってソ連の脅威を米国が強く認識したこともあって、日本の占領が、領土化と植民の意志が無い米国に限られるものだったのはかなりの幸運だったのだと思う。
日本は敗戦で「国破れても国土は残る」と学んでしまった。それなら犠牲を出して戦うよりも、さっさと降参して臥薪嘗胆すれば、やがては再起できるかも知れない。
しかし本来の敗戦とは、パレスチナのような目に遭うのが人類の定番かも知れぬ。住む土地を追われ、奪われるのだ。
だからウクライナは必死で国土防衛を続け、パレスチナは勝ち目のない抵抗を続けるのだろう。